食欲

食欲

 

自分のお腹に怪物を身籠ったと言われてもあっさり受け入れてしまうだろう。そのぐらい信じられない量を食べてしまう。口に何も入っていないのが、怖くて口に何かを入れていないと不安になる。6時間食べ続けることも稀ではなく、暇さえあれば食べ物を食べ、食べ物のことを毎日考えている。

 

もう病的だと自分でも感じているがどうにもならない。こういう時期が一番怖いのだ。まるで自分が自分ではないみたいに。運動なんてできるはずもなく、夜には熱が出る。こういう時人は妊娠を疑うのだろうが、それだけはあり得ないのでまあ心身に異常が起きているか何かが私の体を奪おうとしているのだろう。

 

こないだは2週間で8キロ太った。これに関して言えばただのデブになる道なんだということもできるが、過食と言えば過食なのだ。でも思うのである。過食で死ぬことは何十年も後のことであろう。拒食の友達の相談に乗ったが、私も過食で困ってるなんて言えなかった。

 

でも過食の何が悪いって、まず自分を責め続けてしまう。「なんで自分はこんなにダメなんだろう」と思う。そして、見た目もどんどん醜くなっていく。そこでも「何で自分はこんなにダメなんだろう」と思う。極め付けはインスタに載ってる毎日運動をして友達とキラキラ写真を撮っている人を見る。「あー自分はもうダメな部類の人間なんだ」と思う。

 

ただの過食だ。それだけが自分の人生を狂わしていくのが目に見えてる。でもこれがデブへの道というものならデブになる過程なだけなのかもしれない。